ブルーギルは皇太子明仁親王が外遊の際に、
1960年当時のシカゴ市長より寄贈された
ミシシッピ川原産の15尾を日本に持ち帰った後、
水産庁が食用研究対象として飼育しました。
その結果、食用の対象になると判断され、
1966年に静岡県伊東市の一碧湖に放流したのが
はじまりとされています。
皇太子明仁親王とは…
そう、皇太子時代の天皇陛下です。
ブルーギルに対して、天皇陛下は平成19年11月11日に
琵琶湖の滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールで
以下の発言をされています。
「外来魚の中のブルーギルは50年近く前、
私が米国より持ち帰り、水産庁の研究所に寄贈したものであり、
当初食用魚としての期待が大きく養殖が開始されましたが、
今このような結果になったことに心を痛めています。」
このような外来魚問題になってしまったのは事実ですが、
天皇陛下は魚類学者であり、ハゼの分類学的研究者で、
2008年にも第一著者として海外の雑誌に論文を発表していたり凄いんです。
しかし、私が原因でブルーギルが日本に繁殖してしまいましたと
言い出すのは非常に勇気が必要だったことでしょう。
ブルーギルではなく似たような魚であるティラピアの話ですが、
1960年代にタイ国民の蛋白質不足について相談を受け、
養殖の容易なティラピアを50匹寄贈しており、
今なおタイではティラピアが広く食されています。
また、1973年のバングラデシュで食糧危機が起こった際に、
日本政府がティラピアを50万匹を寄贈しています。
そのようなエピソードから、
タイに住む中国人(華僑)によって後に
「仁魚」という漢名が付けられました。
つまり、日本は予想以上に食糧不足から
猛スピードで脱したため、ブルーギルが食料として
必要なかっただけなのです。
もし食糧不足が続くようであれば、
今頃貴重な食料としてブルーギルが食べられていたことでしょう。
ただ、各地に繁殖してしまったのは
もともと放流された一碧湖から他水系へ生きたまま
他の水系へ放流してしまったことが原因でしょう。
このようなことが二度と起こらないよう、
魚に限らず生物の持ち出しはしないようにしましょう。
ちなみに、数年前に各地のブルーギルをDNAを解析したところ、
天皇が持ち込んだブルーギルとぴたりと一致したそうです…
コメント
「団塊世代の我楽多(がらくた)帳」(https:skawa68.com)というブログの
2019/9/12付けで「ブルーギル駆除」の記事投稿
しています。もし、ご参考にしていただければ幸いです。
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